中央区月島矯正日記

2017年06月17日

あきらめてインプラントにした

先日、セカンドオピニオンを聞きたいとお見えになった患者さんである。すでに2年も「矯正治療」を行っているのに、いまだに前歯部にブラケットがついてもいない。これで大丈夫かというよりも、就職の都合でせっぱつまっていた。前歯部にすらブラケットが付いていないのだから、まだまだ1年はかかるだろうというところである。

その方を紹介して下さった患者さんが見えて、「もう歯を抜いてインプラントにしちゃいました」という衝撃の言葉。いくらなんでも、矯正がうまくいかなくてインプラントにするなんて。せめて、クラウンにするところじゃなかったのかと思うのだが、間に入っている患者さんも口の中をちゃんと見たわけではないので、定かではない。でも、それが本当なら、百田尚樹の「モンスター」の世界である。

2年間も「矯正治療」をしていたのは、もちろん専門の矯正医ではない。だからこそ片側の第一大臼歯を抜歯したのだ。小臼歯を2本抜歯するより大臼歯とはいえ1本で済むならその方がいいだろうと考えたのか。しかし、それでうまく並んだとしても、正中が大きくずれるうえ、余計に時間がかかることは明白である。事実、第1小臼歯と第2小臼歯の間にはスペースが残っており、いまだに第一小臼歯を遠心移動しているところである。

テクニックがどうこうという前に、明らかな診断ミスであり、単にブラケットをつけて抜歯をしたらきれいに歯が並んでくれるに違いないという程度の、一種のおまじないをしているというところである。実際下顎には意味もないのにブラケットとワイヤーが入っている。ほかにすることがないからつけてみたとしか思えない。世の中にはこういった「えせ矯正治療」が案外はびこっているのだ。

これをやっているGPの先生は、どこかの講習会で聞きかじって来て治療をしているものと思われる。もしかしたら自分はちゃんと直していると思っているのかもしれない。2年以上やっても前歯部にブラケットもつかない状態では、患者はあきらめてほかに行っているだろう。困ったことに、そういう場合でもそれは単に患者さんのわがままで来なくなっただけだと考えるのだ。

願わくば、抜歯した第一大臼歯にゴールドの修復物が入っていたから抜いたという理由でなければいいのだが。

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