萩原流行
2015/04/23
萩原流行が死んだそうだ。バイクが脇に転がっていたというから、バイクに乗っていての事故死ということになる。一般的に考えればバイクという乗り物は危ない乗り物だろう。事故を起こせば間違いなくけがをする。バイクだけ壊れて自分は無傷などということはまずない。もう相当前になるが、昭和大学の学生さんが運転する自動車が事故を起こして、相手のバイクに乗っていた人が亡くなったということがあった。状況は全く分からないが、なくなった人もバイクに乗っていなければそういうことにはならなかっただろう。
バイクという乗り物は、自動車を運転する側からすれば迷惑な存在である。脇からちょろちょろと出てこれらると、ヒヤッとすることは多い。20年ぐらい前の免許の更新の時に見せられた「映画」は、バイクがいたから事故になったというものばかりだった。問題は自動車じゃなくてバイクだろうといってやりたかった。
また、10年ほど前、買ったばかりの車に一時停止を無視したバイクにぶつけられた。ところが、バイク対自動車の場合はバイクの方が「弱者」ということで修理代が100%でないのだと言われた。100%悪いバイクが100%損害賠償をしない制度自体にバイクを増長させる一つの要因があるといっていいだろう。
同様に、警察も原付のようなものは捕まえても、大型バイクをスピード違反で捕まえているところを見たことがない。もしも捕まえようとして追いかけっこになった時に捕まえられない可能性があるからではないかと推測する。そんなエネルギーを使うより、羊のような自動車を捕まえる方がずっと楽だからだ。
滅多に車には乗らない私だが、車に乗らない時でもバイクというものは迷惑な存在だ。それはあの音である。自動車はマフラーなどによって排出音が小さくなるように工夫されている。ところがバイクにはそれがないのではないかと思われる。むしろ、出す音が大きければ大きいほど嬉しいというような人が多いのではないかとさえ感じる。「スピード違反で死ぬ人はいても、騒音で死ぬ人はいない」という声が聞こえてきそうだが、年寄りのすぐそばを爆音をあげてバイクが通った時、心臓発作を起こして死んだ人がいないという保証はない。
中国では排気ガスの問題で電気バイクが普及していると聞くが、日本では騒音防止のために電気バイクというものが普及してほしいものだ。夏が暑いのと同じで、どうも我々はこういうものは仕方がないものと諦めているところがある。だが、誰かがうるさいからこういうものはなくせと言い始めれば、だんだんそうなってくるものではないか。
かりに電気バイクが普及しても、自動車の事故という点ではなんら貢献はしない。やはりバイクというものは世の中から消えてくれるのが平穏な生活をするうえで必要なことのようだ。萩原さんのご冥福をお祈りします。
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