開高健 2015/05/28 大岡怜は、中学生のころに「三文オペラ」を読んで、頭をバットで殴られたほどの衝撃を受けたと書いてある。残念ながら、その「三文オペラ」は掲載されておらず、お気楽な釣り日誌と、ヘミングウェイの「武器よさらば」ばりのベトナム従軍記が載っていた。これらだけで、彼の文学のすべてを知るというより語るということはできない。筆致の確かさはわかったとしてもだ。「釣り作家」とでもいうような彼の面目はよくわかった。ただ、彼の作る世界というものをもう少し見てみたかった。(15-5-19) 私の読んだ本