ご予約はこちら

ブログ

銀行による景気浮揚策はすでに成就した

2015/05/31

p_logo石原元都知事が、銀行に外形標準課税を課そうとしてかなわず、自ら東京都をバックとした銀行を設立したということは、当時としては画期的なことだと感じた。一地方自治体が銀行というものを作ってしまうということに、知事の腕力と東京都の経済的な力の大きさを感じたものである。しかし、同時にとても危ういものを感じたのも確かであった。その危うさは、やがて現実のものとなり、今週になって、他行に吸収合併されることになった。

融資の審査がずさんだったとか、役員が背任行為をしたとか、いろいろなことが言われた銀行である。そもそも、東京都が銀行を作るなどということはどうなのだという批判が初めからあった。2008年に、税金から400億円の追加融資を行ったが、駄目なものはだめであったらしい。都民に迷惑はかけないという公約があったが、はたして、今度の吸収合併で、せめてその400億円がどうなるのかが注目されている。おそらくは、それすら回収はできないだろう。
そもそもは大前研一が言いだして、石原都知事が賛同して、BNBパリバ信託銀行の日本部門を買収して作った銀行であったと出ている。もともとの発想としては、既存の大銀行が本来の銀行としての業務であるお金を民間に流さないということに対する批判として作ったものであった。その発想はよかったが、やっぱりお役所にそういうことはできなかったということになる。東京都民としては大変残念である。
この2年間、日銀は大規模な金融緩和を続けて、市中にお金を流そうとしている。一方、銀行はこれをなかなか民間企業に流さない。あるいは流せない。それでも、大前・石原の考えたお金を市中に流すということは今や成就されつつある。ということは、もはやこの銀行の意義は終わったと言えるのかもしれない。
設立から、かなりの都民の税金は使った。だが、その意義が達成されたのだとすれば、むしろそれは安いものだったと言えなくもないのかもしれない。本当にそれが安かったと言えるぐらい、この先の日本の経済が強くなってほしいものである。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
月島矯正歯科
http://tsukishimaortho.kir.jp/
住所:東京都中央区月島2-15-16
月島眼科2F
TEL:03-3531-2224
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇