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ジャスミン革命とは何だったのか

2015/06/02

250px-caravane_de_la_liberation_4イスラム国とは今や呼ぶのをやめようということになったようだが、ISILというテロ組織が世界を席巻している。旧イラク軍はじめとした政府関係者を取り込んだちゃんとした組織になっているというのがもっぱらの噂ではある。しかし、だからといって彼らの中心が旧イラク関係者かといえばそうではないだろう。今やもうその言葉さえ忘れてしまった人が多いと思うが、ジャスミン革命などというものがチュニジアで起こって、長期政権が倒されたとき、多くの人たちから喝さいを浴びた。瞬く間にエジプトやリビアシリアといった国々にこの動きが拡大していった。そして、カダフィが殺された映像が映された時、その声は最大になったといえよう。これで世界はより安定して平和になるという幻想が巻き起こっていたのではないか。

しかし、一方で、その当時ですら違和感を感じていた人は大勢いたのではないか。カダフィが殺されるのはいい。だが、世界の安定のためというのであれば、それはつまりアメリカの安定であり、アメリカの安定のためには、ムバラク政権が崩壊するというのはいかにも具合が悪い。なんといっても、アフリカの要であるエジプトは、安定していてもらわなければ困る。だとすれば、これはアメリカの陰謀ではない。そこで私は、これはロシアの陰謀に違いないと考えた。これらの国々は少なからず石油産出国である。同じ石油資源に国が恩恵を受けているロシアからすれば、こういった国々に混乱が起こることは、石油価格の上昇をひき起こし、ひいては自国の価値が高まると考えても不思議ではない。世界の一方の頂点であったロシアにはそれだけの能力もノウハウもあったはずだ。

だが、ISILが台頭してきた現在の状況のを見てみれば、この説も覆されたかという思いである。思えば、ジャスミン革命のとき、若者は携帯電話の情報でデモを起こし、暴動がおこった。これは、現在ISILがインターネットを駆使して世界中から若者を呼び寄せている姿と類似する。何よりも、シリアとイラクに国家の空白を作って、そこに勢力を拡大していったということは、彼らが初めから策謀していたことのようにすら思える。平和の対極にあるものは何かと聞かれて、「戦争」と答える人は多いだろう。しかし、真珠湾攻撃のあとでさえ、日本の国内は平和であったのだ。戦争の対極にあるものは、実は混乱である。そして、混乱を引き起こすものは、無秩序である。どんなに悪い政権であれ、シリアもリビアもチュニジアも、それなりに平和で秩序が保たれていたのだ。それを壊したのが本当にISILであるなら、彼らこそ人道に対する罪で未来永劫断罪され続けなければならないだろう。

 

 

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