シャープが銀行から２０００億円の資金援助を受けるという話である。また、借金の一部をデット・エクイティ・スワップと呼ばれる株への転換もするそうだ。これで随分会社としては楽になるだろう。だが、借金が増えたと思えば、先行き楽観できる話ではない。それよりも、本業でものが売れていないのであれば、いくら金を入れたとしても何の意味もない。営業赤字は、それを示唆しているようにも見える。

この何十年かは、日本の技術が海外、就中中国や韓国に流出してきた時代だったと言える。おかげでこういった国は急速に日本を追い上げ、今や追い抜こうとしている。日本人である私からすれば忸怩たるものがある。我が国がリストラ等によって多くの人員を放出したおかげで、技術も人材も海外に移ってしまった。

今回のシャープ支援には幾ばくかの違和感がある。シャープと言えば台湾のホンハイが資金援助を申し出ている。一定の株式を持つ代わりに資金を出すという話になっていた。ところが、１株５００円台で買うという話だったのが、シャープ株の急落したおかげで、買い渋ることになった。ただ、それもこれも日本の金融機関が融資をしなかったからではないのか。それが急に融資をすることになったように見える。

日本企業はリストラすることで海外企業がますます強くなってきたように見える。この悪循環を断つためには、政治的に資金を供給すべきであるという意思が働いているのではないか。そうだとすれば、国の肝いりでシャープの再建を成し遂げるということになる。シャープは大丈夫か。これは日本の企業は大丈夫かということに似ている。

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