グルジアというと、黒海に面した中央アジアにある国というていその知識しかない。少し前に、南オセチア共和国の分離独立問題でロシアにたたきつぶされた。まさかロシアが攻めてくるとは思ってもいなかったというところだろう。あるいは、仮に攻めてこられても、西側諸国が黙っていないはずだから、外交的に解決できるはずだと考えていたのかもしれない。そのグルジアが国名をジョージアにしてくれという。もともと、英語読みではジョージアだといわれていたので、単にロシア人になじみのある読みから英語読みに替えたという話ではある。ただしここは英語圏ではない。ビルマをミャンマーと変えるのとは違う。韓国がテハミングクと言わず、だいかんみんこくと呼んでくれと自ら言うようなものだ。普通の国なら絶対に言わないようなことを自ら言うというのはどういうことなのだろう。

ジョージアなどというと、いかにもアメリカの一つの州のように聞こえる。たぶん、それが狙いであろう。西側諸国に親近感を持ってもらい、投資を呼び込みたいということではないだろうか。今さら戦争をしたロシアと仲よくするという選択肢だけはないものと思える。グルジアワインというのは、６０００年も昔からある世界最古のワインだという。６０００年前からワインを作るほどの文化があったというのは、この国にとっては民族的な自信になるだろう。歴史の上ではロシアに負けることがないという自信だ。この自信がロシアへの敵がい心の源になっているのかもしれない。

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