自衛官が教える 「戦国・幕末合戦」の正しい見方
2015/09/20
歴史物のハイライトは、なんといっても戦闘シーンであろう。歴史を決定づけるのは、多くの場合は戦争である。その戦争を現代の戦争のプロの理屈から解説するというのが本書である。
登場する戦争は、多くの小説で書かれたものであり、その背景に関する理解は小説その他の分析と変わるものではない。小説などと同じ背景を基にしたうえで、戦争の公理にあてはめたときの戦術戦略的評価を下しているものである。
多くの戦いは、小説家が評価しているものと大差がないものとなっているように思う。むしろ、その戦いがそうなるにいたったもう一段前の評価は小説ほど紙幅を割けない分、書かれていない。それは本書の目的とは異なるということだろう。
長篠の戦の3段撃ちは本当にあったのかということが言われているが、その点については言及がない。ただ、鉄砲で相手の機動力を抑えるという発想が、1346年のクレシーの戦いをヒントにしているのではないかとのべている。ルイスフロイスから聞いたのではないかという想像である。3段撃ちをしたかどうかは別として、鉄砲を使って敵機動力をストップさせたことは確かだろう。そして、その戦法のヒントは古今東西を探せばあったということである。
最後に、司馬遼太郎に散々バカにされた乃木希典である。田原坂の戦いで、先に進出することを進言して容れられなかった。彼の献策が容れられていたら、この戦闘はもう少し政府軍に有利になっていただろうとしている。これを以て、彼が無能であるという評価は当たらないと断じている。日本人としては、そう信じたいところである。
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