雨が降ってきた

日中、天気がよかったのに、帰るころに雨が降ってきた。

さらには雷も。

急な雨で傘がなかった。

雷がなる前で、それほどの大雨というわけでもない。

ただ、昔よく言われた、「雨ではげるぞ」ってことを思い出した。

いまでもそういうのかどうか。

でも、私が子供のころにはよくそういう話を聞いて、雨には当たってはいけないと思っていた。

当時、といっても我々が生まれるずいぶん前だが、フランスが南太平洋で水爆実験を行っていた。

第五福竜丸の話である。

その際の放射能が大気中に巻き上げられて、それが雨で落ちてくるという話であった。

原爆に被爆した人が、髪の毛が抜けたという話はつとに有名であったから、放射能で髪の毛が抜けるといわれたのだろう。

実際に雨が頭に当たってはげたという人がいたという話は聞かない。

実際はどうだったのだろう。

若い時からすればだいぶ寂しくなった頭でも、やっぱりはげるぞといわれると身構える。

いくつになっても「多多ますます弁ず」である。