パスポート写真の恨み

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パスポート写真の恨み

2023/09/15

海外旅行なんてものはもう行かないと思っていた。

しかし、甥っ子が海外赴任してくれたおかげで、じゃあ行こうかという話になっている。

そのためには、パスポートが必要である。

思えば、ハワイに行くという当日パスポートが切れていたことがあった。

もう20年も昔のことである。

だから外国は嫌いなんだ。

前回のパスポートをとったのは12年前になっている。

その時は、台湾に行ったのだが、思えばそれが父との最後の海外旅行であった。

で、そのパスポートはその1回使っただけで終わっている。

10年だろうと1回だろうと大差なかったわけだ。

パスポートの申請には、戸籍謄本と写真が必要である。

その写真だ。

最近は自宅のパソコンでプリントすれば大概の写真は作れる。

前回もそうだったが、自宅で撮影した写真を持参した。

実を言えば、前回、「影がない写真」というような言葉から、影を消したものを持って行った。

すると、「これは偽造です」といわれて却下された。

そのため今回は何もしないでただ切り取っただけのものを持って行ったわけである。

これをみた事務のかたが、ひとめで、「これはだめです。」

写真にプリントした時の汚れが入っていたのだ。

10年以上使っているプリンターであるため、表にも裏にも変な筋や汚れが入る。

おそらく、そうなるように設計されているのだろう。

待ち時間のうちに撮り直してきてください、といわれて、「証明写真」という機械に向かった。

そこで、「パスポート」というのを選択して写真を撮った、つもりだった。

いよいよこれを持っていくと、「小さいですね。」

「パスポート」と書いた写真を撮って、それが小さいということは、そりゃ機械が悪いだろう。

月島に戻って駅の「証明写真」を見たら、パスポート写真はもっとずっと大きかった。

どうもパスポートの写真には縁がないようである。