開咬の人は歯がなくなる

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開咬の人は歯がなくなる

2025/11/18

開咬を主訴とする方が来院された。

見た感じはそれほどひどいという感じはないのだが、本人は気になっているという。

それは、しばしば歯医者に、開咬を放置しておくと、歯が早くだめになっていずれインプラントが必要になるといわれてきたからであるそうだ。

開咬は通常、前歯部がかまず、主に第一、第二大臼歯程度しかかんでいない。

すると、咬合力のすべてがこれらの歯に加わり、これが長い期間に歯をだめにすると考える。

ストーリーとしてはそうなのだが、実際に開咬の患者さんを見ていて、そのように歯がだめになったのを見た歯医者はどれだけいるのか。

似たような症状で、臼歯部が交差咬合になっているという方がいる。

本来受けるべき咬合力を側面で受ける格好になるため、歯に対してはダメージとなる。

ただ、そういう歯がだめになったというものも見た覚えがない。

50を過ぎた方でも、全くびくともせずに存在している場合が多い。

ならば、開咬で第2大臼歯しかかんでいなくても、それが理由で抜けるというのはどうだろう。

そもそも、開咬の方は咬合力が弱いと考えられる。

顔貌も細面で縦長である方が多い。

つまり、えらの張った方などに比べると、臼歯部にかかる咬合力は弱いということだ。

開咬の人の歯がなくなるという言い方は、50年前の8020不正咬合調査によると考えられる。

8020、すなわち80才になっても20本以上の歯が残っている人を調べたという調査だ。

これによると、開咬と反対咬合の人は一人もいなかったという報告である。

これをもって、だから開咬と反対咬合は直さなければならない、という理屈である。

だが、ちょっと待ってくれである。

もともと開咬や反対咬合の人は、そうでない人に比べれば圧倒的に少ない。

反対咬合で4%、開咬に至っては1%程度のものである。

もともと、これだけしかいないのだから、80歳で、こういった人が入るとは限らないということである。

50年前に8020を達成した人の割合は、なんとたったの7%以下という。

それが最近では50%を超えてきている。

今、もし同じ調査を行ったとすれば、反対咬合、開咬の人がゼロということはないのではないか。

まあ、だからといって、開咬や反対咬合は直さなくていい、とは言わないが。