川口市で最も高いマンションとして知られているエルザタワーが大規模修繕を行うという。マンションの大規模修繕というものが記事になるということ自体不思議な気がするが、総額２０億と聞くと、確かに国内でも有数の大規模修繕であろうということは想像できる。

実は、私が住んでいるマンションも昨年大規模修繕を行った。２４０戸のマンションで、総額は２億円だった。エルザタワーはうちのマンションよりやや古いようだが、それでもやることは同じであろう。総戸数は６００戸と出ていたから、うちの２,３倍というところだが、それでも金額は１０倍ほどになるようだ。規模が大きくなれば、それだけかかる費用も割高になるということなのか。

マンションに入ったときに見せられた修繕計画は、おおむね１５年ごとにこういった修繕が計画されている。そして、３０年目ごろに行われる修繕は、１５年目で行われるものよりはるかに大規模なものに設定されている。うちのマンションでいえば、今回は２億円だが、次のときは６億円と出ていた。それだけ補修すべき点が増えるからだそうだ。

修繕の為に、毎月修繕積立金というものを払っている。これがエルザタワーで１平方メートル９０円ほどという。うちのマンションは、これが更に低かった。そんな金額では到底２回目の大規模修繕は出来ないということが初めからわかっていたので、この金額を上げることがまず第一だったが、それでもちょっと上げたぐらいでは足りるものではないようだ。いずれ第２段の上げというものをしなければならない。何しろ、当初の予定では、４倍にしなければ足りないといわれていたからだ。

国土交通賞の求める金額は１６０円ほどであったと記憶している。つまり、エルザタワーの場合、今の倍にしなければ２回目の修繕は出来ないということになる。うちのマンションと同じだ。それでも、今回の大規模修繕が出来たのは、入居時に一時金を払っていたからに他ならない。だが、それもすでに使ってしまったからには、次回までに財務基盤の強化が求められる。

全国で多くの高層マンションが出来ている。だが、３０年後の大規模修繕まで見据えた計画というのはあるような無いようなものだ。そして、その頃には、当初買った人達はほとんどが老人になっている。仮に一時金を払えといわれても、どれだけの人が払えるだろうか。そう思うと、次回の大規模修繕は、いったいどうなるのだろうと、人のマンションの話題を見ながら考えた。

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