月島から清澄通りを歩いて相生橋を渡ると、もうそこは江東区である。越中島の駅まで歩くとき、この相生橋の前と後とで風景がずいぶん違うことに気がつく。今まであまり気にしたことはなかったが、街路樹が違うのである。中央区側ではなんだか分からない雑木のようなものである場合が多い。一方、相生橋を渡るとそこは銀杏並木になっている。街路樹に何を植えるかについては、各区の担当者の趣味ということになるようだ。

9月半ばであるが、昨日そこを通ったところ、すでに銀杏がたわわに実っていた。イチョウという木は雄木と雌木があって、銀杏のにおいやかぶれるという性格から雄木ばかりが植えられる。そうでなくても60本に1本ぐらいしか雌木は無いと聞いたような気がするから、普通は銀杏などならないはずである。

ところが、わずか数百メートルのせいぜい100本も無いと思われるところに、3,4本は銀杏をつけた木が生えている。これを見ると、わざわざそれと知って植えているようにも思える。

何年か前に、はじめてここを通ったときに踏んだ銀杏は、3日ぐらいその存在感を示していた。もっとも、だからといってせっかく実りの秋を楽しませてくれる貴重なイチョウを切り倒してほしくは無い。年をとって、眼もみえなくなってきたときに秋の楽しみがなくなってしまうからね。

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