シャープという会社が左前になって、どげんかせんといかんといわれてからずいぶんたったような気がする。その間、台湾のホンハイが買うとか買わないとか言ってきた。何度か合意に至ったと聞いたような気がしたのだが、実際にはなかなか合意に至っていなかったようで、今日まで来た。産業再生機構の後押しで、東芝の家電部門と追わせて、そこに３０００億の金を入れるという話になっていた。それが覆って、またホンハイに買われるということになったという。

産業再生機構の案が出たのは、今年に入ってからだったと思うが、それから間もないついこの間、ホンハイによる買収というものが決まった。これではまるでホンハイに買わせるため、背中を押すための口実に産業再生機構が使われたようである。産業再生機構の使う３０００億は税金だから、１円も税金を使わなくてよかったと思う人もいるだろう。一方、貴重な我が国の財産を海外に買われてしまったと悔しがる向きもあるはずだ。現状維持が最も悪いのだから、事態が動いてよかったと考えるべきだろう。

ＧＥの家電部門がハイアールに買収されたとか、世界トップの農薬の会社が買収されたとか、このところ中国系による世界ブランドの買収が続いているように思う。シャープの買収もそれと同じようなものではある。知財と人と工場とのすべてを買うことで７０００億円払う。不良債権化しつつあった会社が７０００億という金になったと思えば、それはそれでいいと思うべきなのだろうか。

それよりも、過去何度も「合意」に至ったと報道されていながら、結局どうにもならなかった経緯をかんがみた時、今回は本当にうまくいくのだろうかという一抹の不安はある。

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