年をとってきた人間にとって、ネット上にあふれているゴシップ記事を読むのは寿命の浪費だと書いた人があった。時間の無駄と書かずに、「寿命」と書くところに重みがある。

毎朝、民放のワイドショーを見ると、昨日起こったどうでもいい事件が報道されている。民放各局を並べてみた時、大したことがあったのかどうかがうかがい知れる。清原の覚せい剤のような事件は各社が一斉に報道している。ベッキーも同様であった。それに比べて、２人がなくなった火事とか、近所の犬にかまれたとかいうような内容が各社でばらばらに流れているときは、大したことのなかった一日と判断される。

清原にしろベッキーにしろ、直接自分とかかわるものではないのだから、だからどうしたというもののはずである。そういうものを一生懸命見るのはまさに「寿命の浪費」ということになるのだが、ついつられてみてしまう。そして、自分まで正義の人間であるかのように、当事者に対して憤ってみたりする。

ゴシップ記事は楽しいのだ。ＯＯさんが一日所長をやりましたなんていうニュースを見てもちっとも楽しくない。それは、そういう悪いことをした人より自分のほうが偉くなったような気にさせてくれるからなのだろう。実際にそれでは自分のほうが偉いのかといえば、そんなことは全くない。覚せい剤をやった清原はとんでもないことをしたと思うけれども、それと私とは関係ないのだから、えらくもなんともないのである。

自分の人生に限りがあることは分かっているけれども、凡俗な人間にとってそれを実際に感じるということができない。本当は人生とは逆算して考えなければならないものだ。高橋高見が４０年も前に言っていたことばを今にして思い出す。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
月島矯正歯科
http://tsukishimaortho.kir.jp/
住所：東京都中央区月島2-15-16
月島眼科2F
TEL：03-3531-2224
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇