舛添都知事が辞任して、次はだれかというところに世間の耳目が集まって、やめた当人のことなど誰も言わなくなった。すでにやめてしまった人などどうでもいいということである。もちろん、やめれば百条委員会の設置などはしないということが決まっていたからやめたのだろう。

ところで、今回の舛添辞任に関してはどうも釈然としない。話が小さいのに、これを執拗に追求して結果として辞任まで持っていかれてしまったという感じである。桜井良子が言っていたが、結局のところ週刊誌がスクープしたものをその他のマスメディアがなぞっただけのことである。なぞっただけのことであるにもかかわらず、各局が連日同じように報道するものだから、毎日悪いことをし続けて、次第に極悪非道の悪代官のような立場に追い詰められてしまったように見える。

もちろん、1円でも他人からもらった金をおろそかにすれば、それは税金の無駄遣いと非難はされるし、場合によっては処罰も受けよう。今回も、百条委員会なるものを設置して調べれば無罪というわけにはいかないのだろう。もっとも、この百条委員会というものがどういうものでどれだけの権限を持っているものなのかよく知らないので、仮にこれが設置されたとして何が暴かれるのか、そして被告である前都知事がどうなるのかはよく知らないのだが。

今回の件で言えば、舛添知事の対応が間違っていたのだという言い方がされる。初めから謝っておけばここまで話も大きくならなかったし、ましてや辞任というところまではいかなかっただろうという。だが、そうなのか。連日の報道を見ていると、質疑応答のいちいちがおかしいという論調一色である。何やら、やめるまで許してやらないという意思のようなものすら感じた。

私は彼を支持したわけではないが、わずか2年前に都民の大多数から支持を得て当選した知事である。それがマスコミの力で辞任させられたということになれば、いつぞやの「椿」なんとかさんを思い出す。彼の残党たちがたちがしてやったりとほくそ笑んでいるように思えてならない。日本中がマスコミに踊らされているかのようである。

参議院選挙がなければ与党自民党も公明党もさすがにやめろとまでは言わなかっただろう。だが、地方の参議院候補者からも何とかしてくれという抗議が来ていたといわれる。国政選挙のために地方自治体のトップが引きずり降ろされる。これに味をしめてマスコミはこれからもこういうことをしかけてくるのだろうか。次の都知事は、そんな圧力に負けないだけのリーダーシップを発揮する人であってほしいと一都民である私は思うのである。

 

 

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