参議院選挙が公示されて街中にはポスターが並んでいる。この選挙で何かが変わるというわけではないが、選挙は大切である。

大切であると言いながら、投票率の向上は期待できていない。なんだか、毎回「史上最低」を更新しているような気がする。いわゆる政権交代の時にはたくさんの人が投票所に向かって、何十メートルも列を作っていた。あの熱気も二日酔いのようにさめてしまって、むしろだから行かないという人がかえって増えたのではないかという気がする。

投票率の低下とは裏腹に、期日前投票をする人が次第に増えているという。そもそも、日曜日の昼間にわざわざ選挙に行くのでは、せっかくの日曜日がつぶされてしまう。それなら、期日前投票をしておいて、当日は泊りがけで温泉にでも行ったほうがいい、そう考える人も増えてきたということかもしれない。

ところが、この期日前投票というものも、自分の地域にしか投票所がない。それはもちろん、中央区の区長を決めるのに新宿のデパートで投票できない。管轄が違うから当然である。だが、今回の参議院選挙の場合、東京都は一つの選挙区だろう。一つの選挙区であるのなら、東京都民はどこで投票してもいいはずだし、それなら中央区民が新宿のデパートやスカイツリーで投票したところで何の不都合もないはずだ。

期せずして開催されることになった東京都知事選挙の費用が５０億円とか言う。参議院選挙で東京都の分としてかかる費用はそれよりも多いだろう。それならば、中央区民が名古屋とは言わない新宿や池袋で投票できたっていいじゃないか。同じ経費をかけるなら、少しでも投票率が高いほうが税金の無駄にはならないのではないか。

国は投票率を上げたいという。だが、そういいながら、やっていることを見るとその逆ではないかという気もする。得票数が少なければ当選させないということがあるわけではないのだから、コストをかけてまで投票者数を増やす必要はないと考えているように見える。

なぜ、投票所は一人１か所と決めるのか。投票率を本当に上げないのなら、もう少しその辺のところも考えてほしいものである。

 

 

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