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「海賊」の子孫が反対している

2016/07/12

出光興産と昭和シェルとの経営統合が出光の大株主である出光一族の反対で暗礁に乗りかけている。会社側は一族側と話し合いを行ったが、不調に終わったようである。

一族側が反対するのは、会社の文化が違うということである。出光側は戦後まもなくからイランとの関係が親密であった。一方の昭和シェルはイランとは敵対するサウジアラビアとの関係が深い。そんな両者が合併するなどとんでもないというのが一族側の言い分であるようにも見える。

 

出光一族といえば出光佐三が起こした会社だ。戦争の記憶もまだ新しかった昭和28年にイギリスと係争中のイランから石油を運んできた。「海賊と呼ばれた男」のモデルである。会社創業のころは、他社からの干渉はかなりあったようだから、そんなやつとは一緒になりたくないということもあるかもしれない。

一族は長年「君臨すれども統治せず」の態度をとってきた。それがここに来て急に経営者側に反旗を翻したということは、株主価値の希釈化によって自分たちの地位が脅かされることへの反発があったのかもしれない。最近、オーナー側と経営者側との間でこのような話が増えてきたように思う。これも戦後70年以上経って、社会がきしみ始めたからだろうか。

石油業界も近年は苦しい経営を続けているように思う。過剰設備の廃棄問題はどこの業界にもあるが、製油所の統廃合は避けて通れないもののようだ。原油価格の高騰によって、車離れも起こっているように聞く。今の若い人はあまり車に乗らないようだ。将来は人口以上に車に乗る人は少なくなるのかもしれない。

出光美術館も出光一族の一部である。ルオーの話が先日の新聞に出ていた。静謐さに満ちた絵は佐三にとって心の安らぎになったかもしれない。今彼が生きていたら、果たして自分の子供たちをしかるか、それとも会社経営をしている人達をしかるか。少なくとも、心静かにはしていられないことは確かだろう。

 

 

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