ＴＫＣの創業者であるそうだ。税理士として、税務当局を向こうに回して、都合8年ほど裁判を闘ったという。その間、渡辺美智雄はじめとして政治家にも加勢を頼んで、国会の質問まで持ち込んだという。

「別段賞与」という特別利益が生じたときに、スタッフに余計に給与を渡し、すぐにこれを借り上げるというものが焦点である。これが脱税に当たるのかどうかということである。また、同時に出張旅費をいくらまで出してもいいのかという点について、特段の決まりがないにもかかわらず、2000円は高いから脱税だと決め付ける税務当局との意見の相違がある。

今はこの件についての税務上の措置がどうなっているのかなど、われわれの知るところではない。今なら脱税で有罪になっているのかもしれない。

ただ、この件と現在の医療界、就中歯科医療界におけるいわゆる「神奈川方式」との共通性を感じるものである。毎月の上限点数の1300点とか1400点とかいった数字の厳守が、出張旅費2000円は高すぎるという理屈と同じに聞こえる。しかも、両方共に一片の通達書もないのである。証拠を作ってしまっては追求される恐れがあるということなのだろう。その点は、中国で行っている韓国への旅行者規制とも通じる。

「不撓不屈」というこの人のように生きることの出来る人など、そういるものではあるまい。とはいえ、少しでも近づけるように努力することは「他利」にもつながることなのであろう。

 

 

 

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