資格は泥棒にもっていかれない
2021/05/06
大学のクラブの後輩がご主人を亡くしたというので、お話をさせてもらった。
一緒に歯科医院を経営していた御主人は2月に突然亡くなったそうで、その後は大変だったようである。
特に、銀行口座などは軒並み閉鎖されてしまうため、お金の支払いができない。
今まで二人で診てきた患者さんを一人で診る必要があるため、それは忙しかったようである。
お子さんがいない彼女にとっては、その忙しさこそがむしろ救いだったかもしれない。
そもそもわたしは、という。
実家が歯医者だったが、お兄さんがいるため、無理に歯医者になる必要はない。
それでも、お父様から、「タンスやテレビは泥棒にもっていかれるけれども、資格は取られない」と言われて歯学部に入ったそうである。
その当時のお父様はおそらく今の私より若かったであろう。
今、この年になってそんな気の利いたことを言えるだろうかと反省する。
もし、ただの奥さんであれば、今頃は本当に路頭に迷っていただろう。
何とかこの状況を乗り越えてほしいものである。