歯医者でクラスター感染は起こっていない
2021/05/19
コロナ社会になって、初めに言われたのが「歯医者は危ない」ということだったように思う。
タービンの使用により、周囲10メートルに飛沫が飛ぶといわれた。
そういった風評被害のおかげで、ずいぶんと歯医者は患者が来なくなったと聞く。
実際には、歯医者に行くとコロナになる、のではなくて、歯医者に行ってコロナを自分が広げるかもしれないということである。
現実問題として、歯医者でコロナのクラスター感染は起こっていないのだという。
クラスター感染を集団感染と言い換えるなら、最低2名以上が同じ歯科医院で感染した状態と言えるだろう。
歯科医院にせよ一般のお店にせよ、そこで集団的に患者が出るということは、2つのルートが考えられる。
一つはお客が持ち込むということであり、他方スタッフが持ち込むということである。
抑々歯医者は零細企業なので、スタッフが少ない。
夫婦二人でやっているというところも結構あるように思う。
そういうところは歯医者でクラスターというより、その家庭で起こった家族内感染ということになるだろう。
一方、来院される患者さんは具合が悪ければキャンセルすることが多いのではないか。
そこは、熱があるから来るお医者との違いである。
では10メートル四方飛び散る飛沫はどうかという問題である。
本当に10メートル四方飛び散るのかどうかは、よくわからないが、そういうのならきっとそうなのだろう。
ただ、飛んで困るのはウィルスを含んだ患者さんの体液であり、それはほとんど吸引されてしまう。
もちろん、冷却するのが主目的だが、多量に用いる注水によって実際にはほとんど飛ばないということなのだろう。
そうは言うものの、実際にはコロナウィルスをもった患者さんが来ていないだけのことで、本当にそういう人が患者さんとして治療しているなら、今頃はどうだったかは定かではない。
矯正科に来院される方は一般歯科より少ないこともあり、また当院にはほかのスタッフもいないことから、クラスター感染が起きるという可能性は非常に低いと思っている。