医療はイリュージョンじゃない

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医療はイリュージョンじゃない

2021/05/25

フランスの何とか言う有名な女優さんが、俳優の仕事はイリュージョンを見せることだと書いていた。

イリュージョンとは幻想という意味である。

イリュージョンときくと、先日亡くなったジークフリード&ロイを思い出す。

トラが向こうの箱から出てきたり、谷の上を座ったままで飛び越えるとか。

別に、虎があっちから出てきてほしいとは思わないけれども、宙を浮いたままどこかに移動できればうれしい。

俳優の言葉である。

誰かがいい言葉を吐くと、つい同じことを言いたくなる。

矯正治療はイリュージョンである。

矯正治療をすれば女優のようになれますよという幻想を抱かせることである、と。

そう呟いてみて、それは違うだろうと思わず否定した。

矯正治療に限らず、医療というものが幻想をいだかせるものであっていいわけはない。

患者さんにまるでこれをやれば女優になれるかのような幻想を抱かせてはいけないのだ。

もちろん、治療の方針で若干の違いはあっても、結果はなるようにしかならない。

それを説明するのは義務であろう。

人は自分の見たい夢を見せてくれる人を探している。

だからと言ってうそを言ってはいけないと思うのである。