レントゲン撮影用エプロンは必要ない?
2021/11/25
レントゲンを撮影する際、重たい鉛入りのエプロンをつけていただく。
ところが、大阪大学では、この防護エプロンの使用を取りやめたという。
つけてもつけなくても、被ばく量はほとんど変わらないということになるのか。
レントゲンは頭部に照射するため、体を覆ったところであまり防護にならない。
ならば、重いものを着てもらうのは理にあわない。
そのため、大阪大学はやめたということになるものと思う。
最近はやりのCTによる被ばくが数十マイクロシーベルトだそうだ。
よく言われるが、東京―ニューヨーク間の飛行機で浴びる放射線量が100マイクロシーベルト。
年間、自然に浴びる分が2400マイクロシーベルトだという。
つまり、驚くほどの被ばく量ではないということである。
ではどうして防護エプロンをつけるのかと言えば、たぶんに心理的な部分が大きい。
日本人は、レントゲン被ばくに対する拒否感が強いため、これを払しょくするという意味である。
そうはいっても、女性の方には妊娠の有無をお聞きする。
妊娠中であれば、基本的にはレントゲンはとらないことにしている。
余り科学的ではないとはわかってはいる。
何かあったらいやだということである。
それは、患者さんの立場でもそうだろう。
かくして、重い鉛エプロンは今日も活躍するのである。