Lord って主人か
2022/01/29
「鎌倉殿の13人」という大河ドラマには副題として、The 13 Lords of the Shogunと書いてある。
どこかで見たような絵と言葉だと思っていたのだが、The Lord of the Ringsだということに気が付いた。
何の意志もないリングを持った人たちが勝手にいろいろなことをしでかしてくれるというストーリーだ。
つまりこの話は、頼朝という何の意志も持たない人が来たおかげで、周りの人たちが勝手に動くという設定ということだ。
したがって、話の中心に常にいても、主役は頼朝ではなくて13人の周りの人たちだということになる。
確かに、頼朝は戦いに出たわけでもなく、ただ偉そうにしていただけの人という印象しかない。
戦争にこの人が行った日には、たぶん勝戦でも負けたのではないかと思ってしまう。
そこでThe 13 Lords of the Shogunだ。
The Lord of the Ringsの邦題は、「指輪の冒険」である。
その名称からLordという言葉は冒険なのかと思っていた。
辞書を見れば、所有者とか主人とか支配者とか神というのもある。
なんだ、13人の将軍の主人ってことじゃないかと、やっと知ったところである。
つまり偉いのは将軍じゃなくて13人ってことだ。
どっかで聞いたなと思ったら「51人の大統領」という記事だった。
与党と野党とが拮抗しているため、一つの法案を通そうとしたときに、ひとりでも造反が起こると通らない。
議員すべてが大統領と同等ということになるわけだ。
The Lord of the Ringsは議会ではないので、そんな状況は起こらない。
それでも、大統領やリングよりその他大勢の方が偉いという位置関係の逆転としては同じと言える。
鎌倉将軍というものは、朝廷の上に立つものとずっと考えられてきた。
しかし、どうもそうではなくて、朝廷の一部門という位置づけだったのではないかという話が出てきている。
単なる解釈の違いかもしれないが、なんだか歴史というものも、現代という時代に変容させられてしまっているのかもしれない。