実家はガソリンスタンド
2022/04/19
医局の後輩の先生は、実家がガソリンスタンドをやっていると聞いていた。
つまり、彼はそこを継がずに歯医者になったということになる。
私が教えていただいた先輩の先生の実家も、実はガソリンスタンドをやっていたと初めて聞いた。
そこで思い出したのだが、生化学教室にお世話になっていたころ、あとから入ってきた先生もやはりガソリンスタンドをやっているお宅だと聞いた。
つまり、私の周りには実家がガソリンスタンドという先生が少なくとも3人いたということになる。
身近に3人もそういう人がいると、何かそれなりの理由があるようにも思えてしまう。
この1年、原油価格は高騰している。
特に、この2か月ほど、ロシアの戦争のおかげで、急騰したといっていいだろう。
原油、あるいはガソリンは、第一次石油ショックの前は、ずいぶんと安かった。
原油1ガロンが数ドルとう値段だったようである。
第一次石油ショックの際、驚くほど上がったといってもそれが10ドルといった値段である。
今やそれが100ドルを超えて、200ドルに行くのではないかともいわれる。
そこに加えて、昨今の円安のおかげで、ガソリン価格はずいぶん上がってきた。
今朝の円相場では129円台半ばまで下がった。
つまり、原油はダブルで上がっていることになる。
とはいえ、日本のガソリンには余計な税金がたくさんかかっているため、原油価格の上昇ほどではない。
トリガー条項という言葉も出るようになり、一方的に高いわけではない。
ではあっても、これだけ上がってしまっては、やはり需要は落ちざるを得ない。
ガソリンスタンドはずいぶん前から消耗戦と言われてきた。
原価があがっても、容易に価格に転嫁しにくいところがある。
オイルショック発生以来、この構造はずっと続いてきたのだろう。
廃業するスタンドもしばしば目にする。
3人の先生のお宅で、もうだめだという判断はあっただろう。
その割に月島のガソリンスタンドが元気なのが不思議だが。