漫画の世界でしか生きられない人たち
2023/01/24
大河ドラマファンとして、今年の家康はいただけない。
ほとんど漫画にしか見えない。
さらに言えば、映像はゲームそのものである。
CGを駆使したといわれるけれども、まったくリアリティーがない。
この何年かの大河ドラマを見ていると、リアリティーを追求するものと、漫画とが交互に出てくるような気がする。
これは、一時、女性を主人公にするものと男性を主人公にするものとが交互に来たのと似ている。
製作費を抑えるために、ゲームのような画像にしましたというならわからないでもない。
だが、もしも今の若い人が、リアルの映像よりもこういったCG映像の方にリアリティーを感じるとしたらどうか。
今まで、こういったドラマは、「あったかもしれない」歴史を映してきた、とおもっていた。
しかし、最近の作品は、「けしてあり得ない世界」を作ることに血道をあげているように思える。
もはやこれは歴史ではなくて、作者による歴史上の人物の名前を使った創作劇でしかない。
そういう「ありえないもの」を作り出すということは、歴史に対する冒とくではないか、とも思う。
そういうものを喜ぶ視聴者も、さらには作者も含めて、漫画でしか生きられないのではないか。
賢者は歴史に学ぶという。
だが、歴史がこれでは、いずれ日本に賢者はいなくなってしまうのではないかと危惧するのである。