プリゴジンはどうなる
2023/07/02
ワグネルのプリゴジンがベラルーシに亡命したといわれる。
一時期は、モスクワまで200キロのところまで迫ったといわれている。
あわや内戦かという状況が「回避」された格好である。
仮に内戦になったとして、数で劣るワグネルが勝てるとは思えない。
また、リトビネンコのことを思い出せば、どこにいたとしてもノビチョクの魔手から逃れることはできない。
モスクワ突入を回避したのは当然ともいえる。
抑々、政権をとろうなどと思っての行動ではない。
ワグネルを国軍に編入させられることに対する反対のためのデモンストレーションである。
ただ、このデモンストレーションを成功させるためには、政権内部からの賛同が必要であろう。
そういう点で、西南戦争の際の西郷隆盛を思い出す。
当時、陸軍を作った人であり、唯一の陸軍大将の肩書を持っていた。
現役の大将が動けば、そこに合流する部下も出るはずだという考え方はあっただろう。
プリゴジンは、そういった人望はなかったにせよ、国軍にもかなりの友人はいるはずである。
そうだからこそ、プーチンサイドからすれば、政権内部へは厳しい対応をとったことは間違いあるまい。
ではワグネルはどうなるのか。
仮に国軍に入るとなると、給料は増えるのか減るのか。
ただ、そこで考えるのが2.26事件の兵士である。
彼らに罪はないのだが、事件後の彼らは過酷な運命にさらされた。
危険な地域に回されて、相当な数の人たちが戦死したといわれている。
使う側からすれば、どうせ反逆した奴らなんだから、使い捨てにしてしまえと思いそうだ。
プリゴジン周囲のコアな数千人もベラルーシに同行しているといわれる。
もしもこの数千人がベラルーシからウクライナに奇襲作戦を行うとしたらどうか。
もし、そういうことでキーウが占領されるようなことになるなら、今回のことはものすごい筋書きということになる。
その一方、戦争の真っ最中で最もアクティブな部隊を国軍に編入するというのはどういうことか。
それは戦争自体をマイルドにしようという動きに感じられなくもない。
アメリカの方から、停戦という話が出てきたことと考え合わせれば、年末までに戦争は終わるのか。
それがみんなのためだと思うのだが、果たして現実はどう動くのだろう。