ご予約はこちら

ブログ

苛斂誅求は昔の話

2015/06/25

江戸時代の百姓といえば、苛斂誅求が当たり前の時代と考えられている。「七人の侍」でも、「百姓とゴマの油は絞れば絞るほど出てくる」なんていうセリフがあるほどだ。最近は、チャンバラがなくなったから、悪代官は見ないが、昔はそういう人がたくさんいたように思われている。実際はどうなのかは知らない。

昔のお役人は、隠し田などの脱税を見逃すまいと国中を探し回っていたものと思われる。一方、今の地方自治体は逆で、耕作放棄地を探さなければならないのだそうだ。だが、本来は3年ごとにそれを調べる義務があるにもかかわらず、実際にはほとんど調査はしていないようだ。面倒ということと、一種のなあなあがあるのかもしれない。

昔は耕作しているところを探すことが仕事だったお役人が、なぜ今耕作していないところを探すのかといえば、やっぱり税金=年貢のためである。耕作放棄地は、固定資産税が安いうえに、贈与あるいは相続の時の価格がただに近い。50分の1と聞いたような気がする。

持っていても苦にならず、相続するにしても何ら痛痒がなければ、「まあこのままでいっか」ということになる。これが宅地並になれば、膨大な相続税がかかるため現金がよほどなければまず相続は無理だ。

農業を営んでいる人からすると、事業の継続の為に高い相続税がかかっていたのでは、継続が不可能な為、農地の路線化が50分の1ぐらいになっているのだろう。これが放棄地ということになると、農地の範疇から外れて、高い固定資産税及び相続税を払う必要がある。だから、農業しか産業がないところでは、昔のお代官様よろしく苛斂誅求に励み、隠し田ならぬなんちゃって田を探せばいいということになる。

実際に、そんなことをやったとしても、ちゃんと固定資産税を払えるという人はいないから、土地を売るしかないということになるだろう。そうなったら、耕作放棄地どころか、ただの放棄地になるかもしれない。あるいは、わけのわからない人たちに買われて後々難儀するということも考えられる。だから、お役人様はそんなことをしないのだろう。

それにしても、滋賀県一つ分の耕作放棄地というのは、いかにも広いと思わざるを得ない。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
月島矯正歯科
http://tsukishimaortho.kir.jp/
住所:東京都中央区月島2-15-16
月島眼科2F
TEL:03-3531-2224
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇