ネコがいた
2015/10/19
仕事が終わって「18時40分のバス」に乗ろうとして35分ごろにバス停に立った。ところが、よく見てみればバスは18時50分だった。10分も余計に待つことになった。
することもないので周りを見ていたら、隣の駐車場から猫が音もなく現れた。まあ、音を立てて現れるのはうちの猫ぐらいだから、普通の猫は音も立てずにあらわれるものである。それが猫を被っているまっとうな猫であろう。
件の猫は、何か考えている風であったが、やがて道を渡ろうと左右を見回した。こういうバス通り沿いに住んでいる猫は、道を渡るなんてことはしょっちゅうやっているのだろう。下手な人間よりもずっと慎重である。ようにみえた。
ところが、道を渡るかと思っていたこの猫は、あろうことかセンターラインのところでしゃがみこんだ。そして、後ろ足で首を掻き始めた。バス通りといっても1分間に車が1台通るぐらいの所なので、ひかれて死ぬような心配はないのだが、もしここに車が通ったらひかれないにしても運転手は肝を冷やすことだろう。
ひとしきり首を掻いたところでやおら立ち上がったと思うと、今度は再びこちら側の歩道に向かって歩き始める。しかし、すぐに歩道に上るではなくて車道のはじのところで再び腰を下ろした。そしてまた首を掻く。まあその段になって、彼の行動の一端が理解できた。私を避けて通ったのである。別に臭いとか怖そうに威嚇していたというわけではないのに、彼はわたしのことを恐ろしい奴とでも思ったのかもしれない。
やっと歩道に戻ってきて、すぐに行ってしまうのかと思いきや、またまた腰をおろして首を掻き始めた。それも、私のほうを振り向きながらである。もっとも、首を掻くしぐさをすると、頭を片方に向けるので、まるで振り向いたように見えるということはあろう。でも、その振り向いた瞬間、彼と眼があったのである。目があったからにはやはり振り向いたと考えるべきだろう。
首を掻いているしぐさは、愛想笑いをしながら頭を掻いているおじさんにも通ずるものを感じる。あるいは彼だと思っていたのは実はメスで私のことを誘っていたのか。そんなことを考えるうちに、隣の家の敷地に入ってしまった。
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