配当3年連続で最高という見出しが載っている。企業が溜め込んだ利益を少しでも還元するということであり、マイナス金利といっているこの時期に、株主にとってはありがたいことだろう。

政府は、賃金上昇による物価の上昇を見込んでいた。しかし、実際には賃金は上がらずむしろマイナスだという。企業側がこの先円高になり業績が悪化する事を懸念しているのだろう。賃金はいったん上げるとなかなか下げるということができない。そこで今度は配当をあげろと迫ったに違いない。

配当なら業績が落ち込んでくれば引き下げることはそれほど困難なことではない。企業が溜め込んだお金が数十兆円といわれるから、そのうちの1兆や2兆を余分に世の中に出したところで罰は当たるまい。しかも、配当はお小遣いのようなものだから、給料よりもより使われるのではないか。

まさにこれこそアベノミクスの根幹ではないか。この10年というもの、企業がお金を溜め込んで設備投資に向かわなかったことがデフレギャップを引き起こしていると批判されている。それを解消する為に給料を上げろと迫ったわけだが、かなわず、それならばせめて配当をあげろと要求したのだろう。それが証拠に、業績が悪化している会社でも増配をしているところもある。

もちろん、配当をもらえるのは一部の金持ちだとか、配当を増やしたところで金を溜め込むのが株主になるだけだろうという批判は当然ある。だが、企業が溜め込むばかりで使わないのであれば、少しでも世の中に出た方が経済は回るのではないか。

マイナス金利といっている時代に、3％、4％という株もたくさんある。株価さえ落ち着けば、貯金するよりもはるかにリターンは大きいのだが。

 

 

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