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ショーン・Kという芸人――――勝どき・豊洲・晴海から便利な月島矯正歯科

2016/03/23

なだぎ武という人が外人のような格好をしてテレビに登場したのは何年前だったか。彼は引きこもりだったという話を述べていたが、普通の格好をしたらただの日本人だった。

最近、いかにも外人のような顔を作りましたという風情のコメンテーターを眼にするようになった。肩書きがビジネスコンサルタントというようなものだったので、ビジネスをシビアに見る人間が世の中をシビアに切るようなコメントをするものだと思っていた。その割に司会者にうなずくばかりだったり、さっき聞いたばかりの話をさも自分が知っていたかのようにしゃべるような内容が多かった様な気がする。長らくラジオに出演していたので、あまり他人をけなすようなことを言えない立場だったのかもしれない。

そう思っていたのだが、学歴詐称問題というものが巻き起こった。3日ぐらいしか出ていないアメリカのどこだかの大学の名前を学歴に入れたりしたというものである。私が子供の頃、赤門アビタシオンに住んでいたホーガン君のところに遊びに行っていたことを持ち出して、「赤門に出入りしていた」とホームページで書くようなものである。歯医者のホームページをたくさん見ているので、別に彼が何を書こうが驚くものではない。

日本人は外人が好きである。外人の言うことであれば、なんとなく無条件に正しいと思い込んでしまうところもある。見るたびにつけたとしか思えなかった目と目の間の鼻は、外人というより「痛い」日本人にしか見えなかったのだが、そうまでして外人のように見せたいということは彼は間違いなく日本人であるという裏返しであった。その一方で、川上伸一郎と名乗るより、ショーン・マクアードル・カワカミと名乗ったほうがよってくる人の数が多かったのだろう。その代わり、ただの日本人がそう名乗るからには出自をはっきりさせなければならなくなったわけである。

彼は人をだましたということで世間からバッシングを受けている。だが、そもそも彼を高学歴の頭のいい人と思うからいけないのであって、外人の顔をわざわざ作って、ニュースステーションのようなところでコメンテーターをやる芸人と捉えれば、それはそれでいいではないか。しゃべり口が好きだというラジオリスナーも多いようだ。選挙に出たわけではないのだから、公職選挙法に問われることもない。

東大や早稲田を出たタレントという人たちがいる。そして、今や高学歴が売りの芸能人ばかりが目につくようになった。高学歴でありながら、ばかばかしいことを述べる人がいるのであるなら、高学歴でなくとも立派そうなことをいう人がいてもいいのではないか。テレビを見る人が求めるのは、学歴ではなくて、自分が納得できるような話なのだから。

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