リオオリンピックまであと何日というところに来て、ロシアのドーピング騒ぎで揺れている。検査の部屋に｢ねずみの孔｣なるものを用意して、外との間でやり取りをしていたなんていうから、なかなか手が込んでいる。さすがはスパイの国だ。ジェームズ・ボンドならぬＷＡＤＡが報告している。

このＷＡＤＡの報告に対して、ＩＯＣは各競技団体に任せるという措置をとった。ロシアの出場禁止措置の見送りである。ＩＯＣのバッハ会長も、ロシアのスパイから命を狙われたら困ると思ったのかもしれない。

一方、アセアン外相会議のほうでは中国を念頭に置いた共同声明を見送った。南シナ海問題は共同で非難するのではなくて、2国間で話し合いというもともとの構図に戻そうということのようであり、それは、つまり金と力で解決するという強者の理屈が勝つ世界である。中国よりであるといわれるカンボジアが強硬に反対したというのが理由として挙げられている。

カンボジアにとって、南シナ海は関係の無い海である。逆に、ベトナムやタイとの国境紛争などがあったとすれば、助けてもらうということもあるかもしれない。それ以上に、中国から大量の資金が来ていることもあるだろう。

ロシア選手の締め出しが果たしていいことかどうかは分からない。ただ、おかげで日本の陸上1600リレーチームが出場できることになった。それだけはめでたい。とはいえ、ボイコット続きだった1980年代のようなことになったら、大会字体が盛り上がりを欠くことになるだろう。そして、それは2020にまで響くことにもなりかねない。

｢見送り｣ばかりで、世の中はなかなか決然とした態度というものがとれないようにできているようだ。ところで、今日のイチローはまた｢8回に代打で出場して、見送りの三振でした｣ってことになっているかな。

 

 

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