ブラック・スワンとは、通常の確率では起こりえないと思われる現象のことであるそうだ。「ガウスのベル型カーブ」では説明のつかない出来事をこう呼んでいる。白鳥は白いから白鳥なのであって、黒い白鳥などありえない、にもかかわらずそういうものが出現したときの驚きから発想した言葉である。

数学的に、「プラトン的」あるいは「ガウス型」というものは、この世の中には存在しないにもかかわらず、数学者はこれらが存在すると考えてきたという。だが、筆者にはそれが全て間違いであり、そんなものは存在しないのだと説く。世の中の事象は全て「ロング・テイル」型なのだという。すなわち、どれほど確率は低くても、ありえないと思われることが起こらないことは無いということであるそうだ。

日本ではバブルが怒り、これが崩壊した。そして、世界ではリーマンショックが生起して経済は大きなダメージを負った。誰も想像もしなかったことが起こったのだといい、これこそが「ブラック・スワン」だという。

われわれは、「月並みの国」にいると思っている。だが、実際には「果ての国」にいるという認識を持たなければ、この先起こるかもしれない大事件に対処できないのだそうだ。でも、そういわれてもね。

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