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疑惑の科学者たち

2018/04/26

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小保方晴子のSTAP細胞の論文不正は、われわれ日本人の科学に対する高揚感を見事に打ち砕くものであった。山中伸弥に続き、若い女性がノーベル賞かと思ったのもつかの間の出来事であった。「STAP細胞はあります」という彼女の言葉を今でも信じたいが。

本書に登場するのは、小保方氏のようにあたかも犯罪者のような人ばかりではない。現在でも科学の巨人と呼ばれる人も含まれる。それは、パストゥールであり、メンデルであり、アインシュタインもまた然りである。

パストゥールは彼が発明したとされる低温殺菌法というものは発明していないのだという。彼が発見発明したとされるものは、みな他人の発明発見の盗用であるという。

メンデルのえんどう豆の実験は、その成果が、発表されてから数十年経ってやっと評価されたものであるにもかかわらず、「完璧すぎる」という評価である。後世の研究によれば、第二世代の結果は正確に3対1にならず、メンデルとぴったり同じ数字になる確率は10万分の7であるという。すなわち、彼のデータは捏造か、不正であるという結論である。

E=mC2の式を発見したとするアインシュタインは、すでに知られていたことを書いたに過ぎないのだという。これらのことは、ポアンカレなどの数学者が示した数式だったという。

この3人は今でも正しいことをいっているという評価である。しかし、中には正しくない理屈で社会を混乱させたという「科学者」という人達もいた。

シリル・バードの名は今ではあまり知る人もいないが、当時一斉を風靡した「優性思想」の理論的根拠を打ち立てた人である。昨今日本で巻き起こった強制不妊手術訴訟も、この考え方に基づいていたものと思われる。彼は一卵性双生児の知能が類似するという研究がその根拠としている。しかしその研究データは不自然であるとの指摘がある。更に、サンプルである一卵性双生児がそれだけの数集まったはずがないという指摘もある。このことより、彼の論文は捏造であろうと今では考えられているようだ。

ソ連の自然科学を捻じ曲げてしまったルイセンコ同様、社会に害悪を及ぼす科学者は、どの時代にもいるものかもしれない。

 

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