ロイヤルウエディング
2018/05/21
イギリスのヘンリー王子とアメリカ女優のメーガン・マークルさんの結婚式というものが放送された。BSでしか放送されなかったので、あまり注目度は高くなかったのだろうとは思う。
女優ということで、この結婚式に合わせてその主演ドラマ「スーツ」が放映されている。特に素晴らしいとも思わないドラマだが、これを見たヘンリー王子が「苦しゅうない、名はなんと申す」といったのであれば、彼女にとっては出たかいがあったといえるだろう。
結婚式は淡々と執り行われているように見えた。新婦の入場の際、エスコートしたのがチャールズ皇太子であったことを除けば。新郎新婦による結婚の誓約など、日本でもやることであるし、私たちもそういうことを行った。
ところが驚いたのは、途中で関係のない神父が説教を始めたことだ。説教は、当然、会を取り仕切っている司祭が行うものだろう。それがアメリカ聖光会の神父だという人がしゃべっている。しかも身振り手振りを付けて。場違いな個人パフォーマンスを始めたのには、おそらく出席したほとんどの人は鼻白んだのではないか。さらにこれに続けてゴスペル風の「スタンドバイミー」ときたものだ。
新郎こそイギリス王室の王子ではあるが、新婦は黒人女優とくれば、実は映画でしたといわれても納得する部分はある。エリザベス女王やベッカムに似た人なんて探せばいくらでもいそうである。パレードだって今やCGでいくらでも作れるだろう。
メーガンさんはアメリカ映像界の人である。彼女の所属する世界がこういったイベントをほおっておくわけがない。そこに聖光会という宗教団体までもが世界に対するアピールのために金に糸目をつけずにしゃしゃり出てきたというように思える。世界で何億人も見たであろうあの場違いな神父のパフォーマンスのおかげで、信者がまた何万人も増えるのだろう。アメリカのプロデューサーはいくらでこの式を取り仕切り、いくらで放映権を売ったのか、そして聖公会はいくら払ったのか、などと妄想が膨らむ。本当のところは分からないが、式費用数十億どころではあるまい。
一般のイギリス人にとって、この結婚はどう映ったのだろう。低俗なアメリカ人をより嫌悪するようになったのではないかと懸念する。そしてまた、「あの人」の評価も下がったのではないかとも危惧するのだが。
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