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インパクトファクター

2018/06/05

歯医者は学者の端くれだと思っているかどうかは別として、学位をとるためには論文を書く。さらに言えば、大学で偉くなろうとすれば、やはり論文を書かなければならない。

論文のよしあしは、まずどの雑誌に載るかということが大事で、その最高峰がネイチャーとサイエンスであろう。もちろん、これだけではなくて多くの権威ある雑誌はある。それらの雑誌は厳しい査読があるからこそいい雑誌と認められるのであるし、だからこそそこに出すということはたいそうなことなのである。

一方、これとは別に論文にはインパクトファクターというものがある。ひとつの論文が一定期間に他の論文にどれだけ引用されているかということから導き出される数字であるそうだ。もちろん、たくさん引用される方がいい論文であるということになる。

最近、テレビを見ていたら、「これでインパクトファクターのある論文が書ける」とかいうようなせりふが出てきた。出した瞬間にインパクトファクターがどれほどかについては分からない。そもそも、どの雑誌に載ったかが大切で、インパクトファクターの高い論文になったなどと言うような先生はいない。一種のテクニカルタームなので、「インパクトのある」というより、その方が業界人っぽいと考えたのだろう。

それはそれとして、どうしてテレビに出てくる医者は一人残らず白衣のボタンをしめないのだろうか。

 

 

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