おくばぬけ せみのぬけがら ふしぎなひ
2019/12/09
新聞に載っていた句である。
歯周病で大臼歯が抜けて、セミの抜け殻のようになってしまったお年寄りかと思った。
しかし、よく読んでみれば、抜けたのは乳臼歯であり、セミの抜け殻はたまたま拾ったものということである。
つまり、これはお年寄りの句ではなく、小学生の作ったものであった。
乳臼歯であろうと大臼歯だろうと、ぬけてしまえば同じように使い物にはならない
本来はまだ使えるものか、生まれ変わりのために抜けるのかの違いだけである。
90歳まで生きる時代、大臼歯は大切にしたいものである。
もっとも、この句を作ったお子さんの話では、本当に抜けたのは前歯だったそうだが。