舌側傾斜している下顎5番は抜いてはいけない
2020/08/21
NLT矯正コースも残す所2回となった。
今回のタイポドントは、ローアングル症例で下顎第2小臼歯が舌側傾斜しているもの。
ローアングル症例では小臼歯が舌側に傾斜する方をよく見る。
これは、スペースディスクレパンシーによるというより、咬合力により移動させられたものである。
スペースは元々足りているのだから、こういう症例では5番を抜歯してはいけない。
こういった下顎5番を抜歯すると、上顎前突が治らないばかりか、歯の動きが悪く下顎のスペースが一向に閉じないということがよくある。
3年やったけれども、まだ下顎にスペースが残ってますなんて言うのは大体こういう場合である。
どこかでそういう話を見たなと思ったら、ちょうどその前日にボンディングした方のことであった。
その方は、欠損部分のスペースがちょうど小臼歯1本分に相当する。
無定見に抜歯などしなければ、もちろんブリッジになどする必要はなかった。
受講生の方たちは、これからはこういった歯を抜歯することはなくなるだろう。