世の中の人はこれを見ているのかと絶望的に思う

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世の中の人はこれを見ているのかと絶望的に思う

2020/11/19

いつのころからか床屋に行くと「これでいいですか」と後ろから鏡を見せられるようになった。

普通、だめだという人はいないと思うから、儀式のようなものと言えるだろう。

しかし、この鏡を見せられると絶望的な気分になる。

絶壁が目に入るからである。

普段自分の後頭部を見ることはない。

だから、見慣れないものを見せられているということはある。

それはちょうど、自分の声を録音したものを聞くのにも似ているし、写真を見た時の違和感でもある。

後頭部はもちろんだが、自分で自分の顔を見ることはできない。

鏡で見る私は鏡の向こうであるうえいつも左右反対である。

歯並びについても同様なことはあるだろう。

自分では見慣れているから何とも思わなくとも、周りの方からすれば「なんと悪い」と見えるかもしれない。

ほとんどの場合は、周りの方は「別にいいんじゃない」という反応だろうと思う。

それでもというところである。

絶壁の話を患者さんにすると、それこそ「別に・・・・」という反応である。

それが患者さんの私に対する忖度であるのなら、やっぱりあんまりうれしいことではないかな。