埋伏歯のセミナーを行ったと思ったら「埋伏歯かも」という患者さんが来院

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埋伏歯のセミナーを行ったと思ったら「埋伏歯かも」という患者さんが来院

2020/12/05

埋伏歯のセミナーが終わり、まだ間もないのに、「埋伏かも」という患者さんが見えた。

右側は側切歯まで萌出しているのに対して、左側は中切歯も生えていない。

両側とも生えていないということであれば、単に「生えるのが遅い人」ということになる。

それが片側のみということであれば、やはり何らかの原因があることになろう。

中切歯の萌出遅延の原因として考えられることはいくつかある。

一つは打撲による萌出方向の異常である。

子供はよく転ぶ。

手が短く、転んだ時に手をつくより先に顔が地面につくことで前歯部を打撲する。

乳歯の下にある永久歯胚が玉突き状態で移動することで唇側に萌出方向を変えるのである。

それとは別に、過剰歯がある場合にも萌出遅延が生じる。

歯の発生時に、本来の歯とは違う歯のようなものができることがある。

これがあることで永久歯の萌出が妨げられているというものである。

この場合、過剰歯の抜歯をすると萌出してくることもある。

もっとも、歯根もない過剰歯が永久歯の萌出を妨げるほどの力があるとは思えない。

過剰歯が原因で、濾胞性歯嚢胞になっているのではないかと考える。

今回来院された方も、やはり過剰歯があった。

経過を見て、本当に生えてこないということになれば、次は開窓・牽引という順番になる。

お子さんの歯は次第に歯根が形成される。

歯根ができればできるほど歯は動かしにくくなるものである。

あまり待ちすぎてはいけないということである。