齟齬
2020/12/12
座間の殺人事件の判決である。
被告弁護人は承諾殺人を主張している。
一方、被告は死刑は怖いが控訴はしないといっているという。
被告と被告弁護人との間に齟齬があるとの声があがる。
齟齬、という言葉である。
齟も齬もヘンに「歯」がついていることからすれば、歯にかかわる言葉であろうということは容易に想像がつく
そして、意味からすれば、上下の歯がかみ合わない状態であろうとも。
上下の歯がかみ合わないということを「歯」の字がついた文字で表す。
「齟」は「くいちがう」、「かむ」と読むと出ている。
一方、「齬」は「くいちがう」と出てくる。
つまり、齟も齬もつまりはくいちがうということである。
食い違うものと食い違うものが合わさったら、余計に食い違うのか逆に合うのか。
且というつくりは女へんがつけば「あね」になる。
一方の齬はつくりに吾があるから、自分ということだろうか。
そうすると齟と齬は自分と他人の歯ということになるのか。
こういう時に漢字学者が説明すれば、「齟はOOの歯、齬はXXの歯である」と言いそうである。
例えばこれが、馬と鹿とかいうなら、なるほどとおもうところだ。
齟齬というものが上下の歯が噛みわないということだとすれば、それを直すのが我々ということになる。
座間の事件の判決は死刑であった。
弁護人は当然のことながら控訴の意向を述べている。
まだまだ決着はつきそうにない。