石膏ブロック

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石膏ブロック

2021/01/14

ニトリがコースターやバスマットに石綿が含まれているということで回収に乗り出した。

珪藻土を主成分とした製品で耐熱性に優れているものと思われる。

この製品を作る過程で、粘結材として使われたものの中に石綿が含まれていたと考えられている。

ただし、粘結材の中の一部であるので、全体から見ればごく少量であろう。

思えば、昔はいたるところに石綿というものはあった。

最もよく目にしたのは石綿金網で、理科の実験で火を使うときには必ずこれが登場した。

矯正科の医局に入ったとき、隣の技工室に石膏ブロック(だったか)というものがあった。

ロー着を行う際に用いる耐熱性のお皿と言えばいいか。

ロー着の際には、1000度近い熱を加えるので、熱に強い材質が求められる。

それが石綿であったのだろうと思う。

石綿に発がん性があるという指摘がなされてからも随分と使っていた。

しかし、ある時「使用不可」ということでビニール袋に詰められて廃棄された。

中皮腫で亡くなった方々は、それこそアスベストの粉塵の中で作業をしていたものと思われる。

それに比べれば、石膏ブロックから飛び散るアスベストの量はごくわずかであるに違いない。

と言いながら、そこから離れて20年以上たつ現在でも、もしかしたらと思わないこともない。

何しろ、発症に至るまでの潜伏期間が30~40年と出ている。

うちの医局の出身者で肺がん、なかんずく中皮腫になったという話は聞かない。

逆に言えば、一人出たら全員危ないともいえる。

病気というものは、いつどこでもらうかわからない。

それはまたコロナも同様だろう。