ガラスが割れた

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ガラスが割れた

2021/10/13

歯医者の椅子の前のブランケットには綿を入れる容器がある。

四角い綿やロール綿を取り出す所をご覧になったことがあるだろう。

綿をワッテと呼ぶので、これをワッテカンと呼ぶ。

「カン」は「缶」とも書くけれども英語である。

同じようにアルコール綿を入れる容器がある。

こちらはある程度の密閉性が要求されるのでガラス製で、ふたがきっちりと閉まるようにできている。

まあ、それでも1日か2日するとアルコールは飛んでいるのだが、1日ぐらいならもつ。

この蓋と本体が金具で接続されていて、これが実は着脱可能になっている。

着脱可能なものはあるとき外れる。

これを何気なく開けたところ、見事に蓋が外れて地面に落下した。

とっさに足で受ければ受けられたのだが、痛いだろうということと、床は固くないからわれまいということで足を出さなかった。

するとなんとこの蓋が真っ二つに割れたのである。

蓋の周囲には金具がついているので2つに飛び散ることはなかったが、何しろわれている。

われるんだったら、どうして足を出さなかったんだと後悔しても後の祭りである。

それほど高いものではないのだから、新しいものを買えばいいではないかと言われそうである。

しかし、新しいものを買ったところで割ってしまったということに対する思いまでは消すことはできない。

ガラスと言えば、実家のガラスがこの間の地震のためか割れていた。

窓ガラスというものは大きいものであるため、割れた時には被害は甚大である。

庭にまで細かいガラスが飛び散っていて、もちろん大きな破片も危ない。

それに比べれば、アルコール綿入れの破損など何ほどもないともいえる。

まあ、そんなことで気持ちの折り合いをつけてきたんだなあ。

割ってしまったガラスさん、ごめんなさい。