鋳造という技術

ご予約はこちら

ブログ

鋳造という技術

2022/02/04

私の履歴書に、金工細工の人が書いている。

その中で、鋳造して作る話が出てきた。

鋳造とは、鋳型に溶解した金属を流し込んで形を作るものである。

彼らは、蝋型に鋳型となる埋没材を張り付けて、固まったところではがす。

再び張り合わせた鋳型に金属を流し込むのである。

歯医者も同じようなことをする。

ワックスで作ったクラウンやインレーを埋没材の中に埋める。

しかし、これを割り出さずに、高熱をかけて中のワックスを焼却、あるいは気化させて取り除く。

そこに金属を流す。

ただし、非常に小さいものであり、金属が通る道も細いため、何らかの力を加える。

それが遠心力であったり、圧迫蓋を使った蒸気圧だったりする。

学生実習では、圧迫蓋を使うのだが、なかなかうまくいかない。

この金工家がただ流し込むだけで、よく巣が入ったりしないものだと思う。

いや、入るのだそうだ。

だから、1日がかりで冷やして鋳型から割り出すときは緊張するのだという。

私も、学生実習の時の経験しかないが、割り出すときは当然緊張した。

その気持ちはよくわかる。

学生実習ではやることではあるが、歯科医となってからもやっているという人はほとんどいない。

あれはあれで楽しかったなあと、できなかったくせに今は思うのである。