知らない先生から患者さんを頼まれた
2022/03/29
「東京に転勤する患者さんの治療をお願いしたい」という電話が来た。
もちろん、知らない先生である。
学会ですれ違ったことはあっても、だからといって知り合いとは言えない。
当然、昭和大学関係の先生ではない。
どうしてそういう先生から紹介が来たのかと考えれば、おそらくは日本矯正歯科学会の認定医名簿からであろう。
また、当該患者さんが、当院の非常に近くに転居してくるということもあったに違いない。
そうでなければ、この先生の同門の先生が東京でも開業しているから、そちらに紹介したはずだ。
「紹介」というと何やら特典が付くような言葉にも聞こえる。
総理大臣のご紹介ですなんて言われれば、それはいい加減な態度はとれまいと考える。
その一方、歯医者の紹介、就中矯正医の紹介というものはむしろ頼むから引き受けてくれというところはある。
すでに自分のところで金はしっかりもらっているお客さんをよそに出した時に、さらにお金を出せとは言えないということがある。
そういう点を踏まえるなら、ある程度は前医がお金を払うべきだろうという理屈が成り立つ。
ところが、前医からすれば、患者さんはお金を出すだけの人で、あんたのところが儲かるでしょという解釈となる。
そこで、「くれてやるんだから、ありがたく承れ」という姿勢にもなるわけである。
そこまでのつもりがあるかどうかはわからないが、少なくとも「頼むからお願いします」というわけではない。
友人は、あとちょっとで終わるという患者さんを後輩に依頼したら、治療費の半分を要求されたといっていた。
そうであるなら、リテーナーの管理だけでも、治療費の何割かを要求するということになるのか。
まあ、だからと言っていやな気持がするのかと言えば、必ずしもそうでもない。
明後日から4月である。