小臼歯を抜歯してもまだ5ミリ足りない
2022/10/17
友人のところに来られた患者さんだそうだ。
小臼歯を抜歯してもなお5ミリも空隙が足りないほどの叢生だという。
教科書的にはこういった場合に第一大臼歯も抜歯するという症例が載っている。
ところが、この方は前医で、歯を抜かずに治しますといわれたそうだ。
どうも、側方拡大によって歯列を広げて配列のためのスペースを作るということのようだ。
この方の場合、片側で10ミリ以上のスペースが必要である。
ということは、左右合わせると2センチから3センチの拡大が必要になる計算だ。
普通に考えれば、それほど拡大すれば、噛まなくなるだろう。
実際、何年か前にそういう方がお見えになったことがある。
「矯正治療」をしたら噛めなくなったという訴えであった。
3センチも拡大すれば、この方以上に噛めなくなることは明らかである。
そういうこともわからずに、広げれば並ぶと考えるような人は、診断ができないものである。
こういうところに行くのは、金を払って噛めなくなるだけだと思うのだが、どうだろう。