また同じ人の本を読んでいる。

古事記・日本書紀に書かれている在位年数の1年をおおむね2年として勘定すると、神武天皇の即位というものは、紀元前70年だったという話である。こうやって換算した年を朝鮮の文献などと比較すると、ほぼ整合性が取れるとの結果も示している。さらに、神武天皇が大阪湾から上陸したときの記述を当時の大阪湾近辺の地形とを照らし合わせてみても、そのとき以外には考えられないということのようである。

神武天皇がこのころの人だとすれば、卑弥呼の邪馬台国という国は、すでに大和の地にあった大和政権に対する地方政権という位置づけになる。邪馬台国が大和政権になったのではないということだ。それは顔に入れ墨をしていた邪馬台国の人たちに対して、大和政権ではそういう風習が認められないということでも明らかだそうである。

記紀にある大昔の話はほとんど嘘だろうといわれてきた。だが、いなかったなどと言われた神武天皇の記載が当時の地理に合致するということは、これが実は本当のことだったのではないかということになる。紀元前まで日本の歴史が遡れるということになれば、我が国の歴史は2２00年前まではさかのぼれるということになる。

朝鮮半島の歴史と日本の歴史とを並べてみると、おおむね神武天皇即位から50年の間に新羅・高句麗・百済が建国されたことになる。これは、その当時が一つの激動の時代だったという事か。それとも、この一連の建国の動きは倭国の支配下にあった国の再編であったのか。いずれにしても、この頃は激動の時代であったであろう事は容易に想像できよう。

 

 

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