山崎豊子の｢華麗なる一族」には、鉄平と銀平の兄弟が登場する。鉄と銀なら、どうして金が無いのかと茶々も入れたくなるが、製鉄会社が舞台になるのだから、お兄ちゃんには鉄をつけないわけにはいかなかったのだろう。

ところが、中国に｢銀平｣が現れたのだそうだ。調味料会社の取締役という肩書きで。習銀平。習近平主席の父親の名前を冠した陝西習仲勲研究会というところの副会長を務めているのだと出ている。それならその習仲勲の息子で、すなわち習近平の弟ではないかという憶測が流れるのも当然だろう。

おかげでこの会社の株はストップ高したのだそうだ。中国というところは、企業と政治家との結びつきが強い為、国の有力者、就中国家主席のような人が後ろ盾になれば、会社にとってのメリットは計り知れないと考えられる。もっとも、中国ならずとも安倍首相が味の素の取締役になったとしたら、私も買いを入れるかもしれない。

｢きんぺい」と「ぎんぺい｣。父親の仲勲は元国務院副院長とある。副首相ぐらいのような立場か。ぎんぺいさんが弟なら、華麗なる一族といわれそうである。ただし、ぎんぺいのお兄ちゃんは最後は自殺するのだが。

せっかくストップ高したと思ったら、翌日にはこの人事は取り消されたのだという。中国という国は何をやってるんだろうという気もするが、おかげで今度はストップ安だ。株を買わせる為に仕組んだと考えると、なかなかユニークな仕掛けだったというべきだろう。

 

 

 

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