ご予約はこちら

ブログ

孫を見る目

2015/12/08

一般的に、なりたての歯医者は20代半ばである。20代半ばというのは、世の中はあらかた自分より年上である。ただし、矯正科の患者さんは比較的子供や学生さんが多いので、平均年齢はほかの科よりも低い。他の科より低い分、親御さんが同伴であることが多い。勢い我々は患者さん本人より親御さんを診ている気分になるものである。

20代半ばの人間から見れば、子供と親と比べた時、むしろ自分は子供のほうに近いと感じたものであった。さすがに中学生が自分と同じとは思わないが、高校生ぐらいになればそれほど差がないような気になるものだし、まして大学生ともなれば、昨日までの自分と同じである。逆にいえば、親御さんと対峙したとき、自分の親と対峙しているような感覚になったものである。

キャリアを積んできて、つまり年をとってくると、いつのまにか親御さんは自分と同年代になり、気が付いてみれば自分よりもみな若いということになっている。さらに、今や親御さんよりもおじいさんやおばあさんのほうに近いような気分になってきた。すなわち、患者さんのおじいさんやおばあさんと似たような目線になってきたということだ。もちろん、年齢からいえば中間ぐらいのはずなのだが、おじいさんやおばあさんが一緒にみえると、同じような感覚になることがある。

この孫を見る目というのは、つまりは「こんなことをしたら子供がかわいそうだ」という見方である。生えたばかりでまっさらな歯なんか抜いたらかわいそうだとか、こんな大きな装置を口の中に24時間いれ続けたらかわいそうだとか、理屈から考えれば合理的なものも何か悪いもののように感じてしまう目ということになる。

先日見えた患者さんは、側方クロスバイトのため拡大が必要であることは間違いない方である。ただ、ここに急速拡大装置を入れて毎日ねじをまわしてくださいということにすこぶる抵抗がある。まして、以前に入れた経験があればなおさらである。以前入れた装置は可撤式だったから使ってもらえなかったが、固定式の装置を入れて通わせればいやでもよくなるはずだとはなかなか言いきれない。この装置が効果を現せるのは今しかないとわかっていてもである。

うちの子供はまだまだ孫など作れるような年ではない。(作られたら困る) でも、本当にできた暁には、砂糖よりも甘いじじばばになることは間違いないらしい。

「砂糖」の画像検索結果

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
月島矯正歯科
http://tsukishimaortho.kir.jp/
住所:東京都中央区月島2-15-16
月島眼科2F
TEL:03-3531-2224
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇