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経済大国カルタゴ滅亡史

2016/01/18

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フェニキアの後継国として地中海を席巻していたカルタゴは、わずか150年足らずのうちに、跡形もなくこの世から消えてしまった。それも、当時はまだやっとイタリア半島を統一したかしないかという程度のローマに。

ポエニ戦争と呼ばれる両国の戦いは、前後3回行われている。結局、その3回ともローマの勝利に終わるのだが、アメリカと日本ほどの国力差がありながら、なぜ負けたのかということが常に議論されるところとなる。

経済大国であったカルタゴゆえ、全てを経済すなわち金勘定で考えることが自らの滅亡をもたらしたというのが結論である。戦争という行為自体、経済を尺度に考えれば、到底間尺に合うものではない。だからやらないというのがカルタゴ的な考え方であり、それが結局は勝機をつかみながら勝てなかった理由であるという考え方である。

金さえ儲かれば国がどうなってもいいという考え方は、今の日本にもはびこっているのではないか。1945年8月の敗戦をあれだけの荒廃とともに迎えるのであれば、むしろ戦争などせずに座してアメリカの奴隷になった方が良かったのではないかという意見が多くあるように感じる。では、カルタゴになってもいいのかという反論である。

ポエニ戦争については、塩野七生の「ローマ人の歴史」に詳しい。本書は、防大出身の筆者によるものだけに、戦史ということについては詳しい。ハンニバルの活躍はアメリカに負けた日本にとって、いつ読んでも胸のすくような思いである。ただ、戦争の詳細さに比べて、カルタゴについての研究、洞察は少々甘いような気がした。

 

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